2011年 05月 06日
DOBOKU ?
連休中に、ぐうぜん、『ドボクサミット』なる本を手にした。
自分も通ったことのある武蔵野美術大学からの出版だし、タイトルに自分に近しい匂いを感じた。

汚染地下水を使った《Another Water》1997から、都市の原地形を追った《新開地アートブックプロジェクト》2002、そして昨年の琵琶湖疏水をターゲットにした《アクアカフェ》2010、その流れで今進めている「動く土」のリサーチ、これらの仕事の流れを通じて、自分の中に、見えないインフラへの一貫した関心があることを自覚するようになった。

しかし、美術畑にいる情報音痴な人間として、まったく一人で進めているので、すでに専門的な調査や研究が行われていて、自分はとんちんかんなことをしているのではないか、という不安もあった。
それで手にした『ドボクサミット』だが、武蔵美で開催されたのは2008年6月15日、出版は2009年4月20日。
3年前にこういう集まりが開かれ、さらにそれ以前から土木的インフラ的施設に関心を持つ人が増えているとは、知らなかった。
調べれば、ダムや水門やジャンクションや工場の景観マニアがそれぞれいるし、さらにみちくさ学会というのもある。
ブラタモリの人気や『アースダイバー』もたぶんこれら一連の流れにあるのだろう。
80年代の路上観察をひとつの震源として、さらにバブル崩壊が人々と風景の関係を変えた、という指摘もある。

だが、僕自身の関心は、もう少し抽象的なものかもしれない。
インフラへの関心は、「支えるもの」への関心から来る。
人は「支える」技術によって自然から身をもぎ離し、巨大な基盤技術でもって築いた人工環境のなかでしか生存できなくなった。
だが、その根底には、野性的自然(とくに水)と人間の関係がある。
自分がリアリティを感じるのは、この野性的自然とのやりとりだ。
そこには、いっさいの「支え」が役立たなくなることへの期待もある。

『ドボクサミット』は、準備中の『アクアカフェ記録集』の参考になるかなと思って読んでいたら、なんと、本の中に登場する田邊寛子さんという設計者が、琵琶湖疏水の設計者・田邊朔郎のひ孫であることを、これまた偶然知った。武蔵美の建築出身らしい。
不思議な連鎖を感じる。
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by peuleu3 | 2011-05-06 02:28 | note


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