2011年 10月 07日
ブルキナファソの記録も整理できないまま、勤め先の授業が始まった。 まあ、おいおいやるとしよう。 レポートを読むと、みな肯定的でいろんなことを学んでくれたようなのだが、続けて参加する者が少ないのはなぜか? さまざまな理由が考えられるが、つちのいえの志向が半年のセメスター制という今の大学教育の枠にはまらないことが根底にある。 もともと授業として始めたのではなく、自主的なプロジェクトとして生まれてきたものを、「自由テーマ研究」とか「テーマ演習」という授業の枠に入れたものである。 プロジェクトが教育的効果も持つと判断されたので、教育改革のパイロット授業になりうるとも思って枠に入れたのだが、それがよかったのかどうか。 材料としての土や茅をマーケットで買うのではなく、地域のなかで自ら調達し、伝統的な技術を学び、転用しながら「いえ」をつくる。 その作業のスケールやテンポは、効率化された現代の教育システムに合わない。むしろ、そうしたシステムを含む現代社会の技術観・物質観を批判する側面が、つちのいえに色濃くある。 当の教育システムの申し子である学生らは、そんなことに興味はない。必要な単位とやらが出れば学生は来なくなる。それは当然だろう。 ますます学校というのがうっとうしくなってきた。 僕は、芸術教育の本質が技能の開放的探求的使用を可能にすることにあるかぎり、イリイチの「学校を廃止すべきだ」という考えに賛同する。 創造的技術の教育に、学校制度はまったく適さない。 そもそも僕は学生時代、ほとんど大学に行っていない。 アフリカに行って、「社会を脱学校化するべきだ」という思いはさらに強くなった。 イリイチの"Deschooling Society"は鋭い洞察と先見の明に満ちている。 10月5日に亡くなったスティーブ・ジョブスは、大学を中退した。 彼はビジネス界でのアーティストだった。
by peuleu3
| 2011-10-07 01:36
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