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2011年 09月 02日
Burkina Faso_07: Bobo-Diulasso_Vieux quartier
9月2日(金)午後、Bobo-Diulassoの旧街区(Vieux quartiers)へ。
Boboは、人口50万人のブルキナ第2の都市。
ボボ族とデュラ族の町という意味だそうだが、先に住み着いたのはボボ族で、その最初の居住地をSyaという。そこにイスラム商人系のデュラ族がやってきて町を広げた。Syaを支配したフランス人が1886年に町をボボ・ディウラッソと改名した。ブルキナがHaute-Voltaとよばれた植民地時代はここが首都だった。

旧街区は、大モスクの向かいに迷路状に広がっている。ガイドの案内(1000CFA)なしに入れない。
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旧市街地には4つの異なるカースト集団がゆるやかに分かれて暮らしている。
・土着の農民でアニミスム系の Les Bobo-Fing
・イスラム系住民で主に商売をする Les Bobo-Dioula
・西アフリカ特有の芸能民で、伝来の詩や民話を朗し、民謡を唄うグリオ Griots
・鍛冶屋集団 Forgerons

このエリアが面白いのは、他の区域とちがって伝統的な土づくりの家がそのまま保存され、今も使われていることだ。
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Sya村の創始者の家 Konsa=Maison Mere。11世紀に建てられたとあるが・・・
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こちらもエリア最古の先祖の家の入口。
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庭状の空間にある野外祭壇。鳥らしき生け贄の血や羽根がこびりついている。
同じアニミスムとはいえ、日本とちがって呪術色が濃い。
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 Burkina Faso_07: Bobo-Diulasso_Vieux quartier_e0204542_1139974.jpg土ブロックは、縦、横と互い違いに積んでいる。
ブロックどうしの間に入れるつなぎの粘土層が予想以上に分厚い。
ブロックの長辺:短辺=2:1。
長辺の長さが壁の厚み。
同じ大きさの土ブロックのユニットができると、世界中どこでも同じように壁がつくられる。
技術の普遍性というやつだ。

ただし、家を造る大工のような職業はあるのかと聞くと、「そんなものはいない。みな自分の家は自分でつくる」と。
だから同じ土地の土を使っても、ブロックの作り方、積み方、仕上げ方がそれぞれ異なり、経年変化による表情もみなちがう。
統一性と多様性のバランスの見本がここにある。


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最初は住宅資材かと思ったが、Doloと呼ぶ粟ビールをつくるときの燃料だそうだ。
その後もあちこちの村でこのように木を積み上げた光景に出会う。そうか、みな家じゃなくて地酒をつくってるのか・・・
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製造所のまえで人々が集まってDoloを飲んでいる。容れ物はカレバスCalebasse。僕も一杯いただいた。ちょっと酸っぱいがおいしい。

Doloの作り方(通常3日間!):
(1)粟 mil を引いて粉状 farine にする
(2)水を入れて捏ねる
(3)煮立てる
(4)煮立ててできた液に酵母を入れて一晩発酵させる
(5)翌日には飲める
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地元の若手工芸家協会の店。ものづくりで地域の貧困対策に貢献している。
壁には「子供に物乞いをさせることは宗教の教えではなく、単なる搾取だ Envoyer les enfants mendier n'est pas la culture du religion mais seulement exploitation」とか書いてある。
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入口のカーテンが質素で美しい。サンダルを脱いでいるが、沓脱ぎの習慣があるのか?
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鍛冶屋の工房。
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自称彫刻家のブロンズ細工師の工房。蝋で鋳型をつくっている。仲間が恐竜のフィギュアなども型に使っていたから、伝統工芸とはちがうと言いたいのか。でもこちらが土建築の研究に来てるというと、いろいろと話が通じる頭の回転の速い明るい青年だった。

サハラ以南のアフリカでは、文明史の常識とは逆に、ブロンズの使用は鉄よりあとになる。9世紀頃からもっぱら装身具などがつくられ、その伝統がずっと受け継がれて、ブルキナは今や西アフリカでもっともブロンズ彫刻がさかんな国。
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同じ工房の壁に描かれた絵の材料が興味深い。赤はラテライトの赤土、白はカオリン、みな大地の土からとっている。
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エリアを流れるフエ川 marigot du Houetは、水浴や食器洗いにも使われる。

巨大なナマズ silureがうようよいる。
聖なる魚と敬われていて、獲ったりしてはいけない。
ガイドからパンを渡されたので、思わず食べかけると、それはナマズにやるのだと言われ、一緒にちぎって投げた。
四天王寺の池の亀にフの餌をやってる気分だった。





by peuleu3 | 2011-09-02 23:40 | Africa


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